河辺家 2019.6.23〜26

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長野県最後の拠点になるであろう河辺家。

フェイスブックで知り合った寛之さん。買った土地の木を切り、自らつくった製材機で製材するところから始めたセルフビルドの家、さらにソーラーパネルでのオフグリッド。田んぼもやっている有機の野菜農家。

これは行かねば!と思いお訪ねしました。

言うまでもなく、情報盛りだくさんです^_^

 

では早速、オフグリッドの方から…

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太陽光発電の独立電源はふたつに分けているそうで、ソーラーパネルは3.2kwと1.5kwのふたかたまりあり、それぞれリチウムイオン電池に蓄電しています。システムを2つに分けると片方のシステムにもしものことがあっても、ゼロにはならない、こういうのって大事ですね。

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1.5kwのパネルは丸太を使い、角度を変えることができるようになっています。

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左の白いのがチャージコントローラー、右の黒いのがインバーターです。
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お馴染み、日産リーフリチウムイオン電池。7直7並(もう一方は6並)の48ボルトシステム。
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手前の銀の箱がリチウムイオン電池。それを7つ直列につないだもの。後ろにあるものは、左からショットキーバリアダイオードBMS、ブレーカー。主にバッテリーの保護機能的な役割です。f:id:saitomanten:20190626125442j:image

家の中でバッテリーの残量と電圧をモニタリングできるようになっています。

梅雨と冬の時期は少し節電するけど、普段はあまり電気のことを気にせず暮らせていると言います。

 

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こちら自作のタイヤ製材機。

ざっくり説明すると、

・手前の2つのタイヤに帯のこを取り付けてあります。

・エンジンの動力を車の駆動につたえ、タイヤが回ることによって帯のこが動きます。

・製材機をレールで動かして製材します。

 

今回はそのエンジンを載せ替える作業。

エンジンの載せ替えと、帯のこの取り付けを手伝わしてもらいながら、使い方、作り方を享受していただいたので、まとめておきます。

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まずプチ仕事。エンジンにオンオフのスイッチがなかったらしく、最初はそれをつけました。

スパークプラグから伸びてる線を発掘して、それにヤフオクで買ったスイッチを取り付けました。去年坂本家でエンジン周りいじってた甲斐がありました笑

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こっから本番です。

赤いのがエンジンです。こいつを設置します。

難しいのが、ベルトをいい感じを張り、クラッチがうまく効くように抑え棒を設置する、という作業。

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クラッチが入っていないときには、ベルトが青い棒で押さえられ、ベルトが動かない状態に。クラッチを入れるとベルトが青い棒から離れ、ベルトが動き、タイヤに動力が伝わるように。(写真はクラッチが入った状態。)

ミリ単位でエンジンの位置を動かしたり、青い棒を動かしたりしていい感じの位置を見つけます。

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いい感じと言ってしまえば一言ですがかなり難しいです。ちょっとズレただけで全然違います。このへんは寛之さん経験と勘。いい感じに載せ替え完了です。

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それが出来たら、タイヤに帯のこを取り付けます。エンジンを回してみて、帯のこがはずれないようにうまく取り付けます。

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取り付け完了しました!

あと、今回の作業ではやってませんが、まだ2カ所付け加えるポイントがあります。

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まず、製材している時に帯のこがはずれないよう、支えになる物を取り付けます。(写真の、帯のこを挟んでいる丸いやつ※くらしての製材機の写真です。)寛之さんはプーリーを使って作ったそうです。

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もう一つ、製材しているときに、水か油で帯のこを冷ますようにしておきます。(写真中央に垂れている白の管)製材機の上にタンクを設置し落差でたらすようにしています。

 

このタイヤ製材機、寛之さんが作ったものを見て何人か挑戦した人がいるらしいですが、まだ完成したという声は聞かないといいます。

 

 

さて、その製材機でつくった材で建てた家がこちら!

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オシャレなコードウッドハウス。木材は全てその土地に生えていたものを製材したもの。壁の土もその土地のもので、藁は自分の田んぼから取れたもの。究極のセルフビルドですね😲

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壁は丸太と、土と藁を混ぜて練ったものを積み上げていくだけ。壁の厚さはかなり(30センチくらいでしょうか)あって、断熱効果抜群!滞在中、かなり暑かったのですが家の中はすごく快適でした^_^

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室内の壁は石灰でキレイに白く仕上げてあります。写真はまだ石灰を塗ってない箇所。部屋の仕切り壁は丸太なしでつくっていました。

机や窓、扉も完全自作。こだわりが伺えます。

 

家の中には自作のストーブ。

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燃焼の仕組みはロケットストーブ。中は見えないですが、左下の焚き口の上にヒートライザーがあり、黒い箱の部分が放熱体になっています。

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焚き口の裏に通気口があります。この通気口は屋外の空気を取り込む仕組みになっており、屋内の暖かい空気を吸い込むことがなく、効率よく暖房ができるそうです。

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こちらコンポストトイレ

虫草農園と同じ、ドラム缶の回転式。右のハンドルを回すとドラム缶が回るようになっています。今はドラム缶が回らなくなっているようで使っていないんだとか。


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家の前には1町歩ほどの畑が広がっています。以前は有機の野菜セットを個人販売していたそうですが、ここ数年で大豆の単作にシフトしたといいます。

もともと建築の仕事がしたかったという寛之さん。多品目の野菜だとそれ以外のことはなかなか手を出せないということで大豆に一本に。今ではだいぶんと他のことに時間が割けるようになったといいます。

 

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ここでのお手伝いは、壁張りや屋根張り。長野県で田植えしなかったのここが初めてです笑

特に、タイヤ製材機のエンジンの載せ替えは僕にとって新しいことで、一気に視野が広がった気がします。技術を一つ習得できたな、と思います。

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リーフの組バッテリーやタイヤ製材機など、なーんか出来るんじゃないかな?という手応えを掴めた気がします。

二泊三日、いろんな事を教えてもらったしさせてもらいました。川辺家の皆さん、ありがとうございました!